　　プロデューサーとして一世風靡したゴールドウィンがミュージカルを製作する過程を、若い男女のロマンスをからめながら描いている。腹話術師のバーゲンやリッツ・ブラザース等の芸達者なスターたちのパフォーマンスが随所に織り込まれている他、映画作りの裏側を垣間見えるのも嬉しい。
アメリカ映画。日本未公開。

　欧州戦争に従軍して武勲をあげながら失意のうちに帰郷した男が一度は社会的に認められながら、戦後の混乱の中で翻弄される姿を、描いている。ウェルマンが簡潔で力強い描写に圧倒される。やはり社会派ドラマの秀作で、当時、話題になった「仮面の米国」と対比して語られることが多い。
アメリカ映画。日本公開1934年。、

　レヴューの舞台で主役の男女が婚約してること知った一座の女が嫉妬のあまり、母親のかつての殺人をバラすと言って男を脅していた。彼女は射殺されてしまうのだが、真犯人は意外な人物だった。劇場を舞台に進行するスリラーだが、舞台で繰り広げられるレヴューも見所のひとつか。
アメリカ映画。日本公開1934年。

　シシリー島南部の鉱山の閉鎖で、失職した人々が新天地を求めてフランスに旅立つ。しかし所持金を持ち逃げされたり、雪深い山道での行軍を余儀なくされたりと多くの困難に遭遇するうちに、次々に脱落者が出てくるのだった。ベルリン国際映画祭で銀熊賞、ヴェネチア国際映画祭でセルズニック賞を受賞した。
イタリア映画。日本公開1953年・

眠るパリ(1923)/幕間(1924)　　

Paris Qui Dort / Entr’Acte　　

製作：ディアマン・フィルム-1923-/日本未公開

　　　バレエ・スエドワ-1924-/日本未公開

監督：ルネ・クレール
音楽：エリック・サティ

ＪＶD-3366・モノクロ・54分
￥５，０４０（税込）／ＰＯＳ：４９８８１８２１１２６６６

伯林/大都会交響楽(1927)　

BERLIN die Sinfonie der Grosstadt

脚本：カール・フロイント　　　　　　　　　　　　

撮影：ライマール・クンツェ　　　

音楽：丸山和範　

　夜明けに列車が到着してベルリンの一日が始まった。やがて人々が街に姿を現し、夜になると歓楽街に繰り出す。市民の様々な日常生活を記録したドキュメンタリー映画の秀作。
ドイツ映画。日本未公開。

　ハバナに流れて来たダンサー、ジョーはアメリカの富豪の娘と知り合うが、彼女の恋人と衝突したため店をクビになってしまう。やがてルンバを上手に踊る娘とニューヨークに乗り込むのだが。ラフトがロンバードとコンビを組んで成功した「ボレロ」の続編とも言える作品で、今回も２人が見事なダンスを披露している。
アメリカ映画。日本公開。１９３５年。

　不世出のテノール歌手、エンリコ・カルーソの半生を、未亡人の手記を基にして描いた伝記映画。「リゴレット」を含むオペラの名曲を当時、新進オペラ歌手だったランツァが熱唱している。アカデミー賞録音賞を受賞した他、ミュージカル映画音楽賞、衣装デザイン賞（カラー）でノミネートされた。
アメリカ映画。日本公開１９５２年。

木馬館の呼込み係のリリオムは、客のジュリーと恋に「落ちたためクビになってしまう。彼女と結婚するも無職になった彼は強盗を働こうとうるのだが、警官に取り押さえられてしまう。天国に昇ったリリオムは一晩だけ地上に戻る権利を与えられるのだが・・・・。モルナール・フィレンツの戯曲の映画化作品。
フランス映画。日本公開１８３５年。

弁護士になるために１年半の猶予を与えられた娘が、期限間近になって詐欺で捕まった青年の弁護を引き受けることになった。２人が恋仲になったため、両親は旧友の息子と結婚させようとする。鳥打ち帽にくわえ煙草のダリューが瑞々しく溌剌としていて可愛らしく、彼女の歌が聴けるのも嬉しい。
フランス映画。日本公開１９３７年。

避暑先で中年の公爵と早まった婚約をしたジュリエッタは、帰る途中の車中で若き弁護士と知り合い、思いがけず彼の別荘に泊まることになる。しかし、彼には恋人がいた。この３人が引き起こす騒動をコミカルに描いたラブロマンス。思いがけない人物設定や、機知に富んだセリフが妙味を加えている。
フランス映画。日本公開１９５４年。

インド駐屯軍の部隊長が意に沿わぬ不名誉除隊となり、本国に戻った途端に何者かにより殺され、無実を晴らす書類も奪われてしまった。四人の息子たちは各地に散って父の汚名を晴らそうとする。小気味よくテンポの速いストーリー展開が暗くなりがちな復讐劇の印象を和らげている。フォード監督にしては異色の上質な娯楽映画。
アメリカ映画。日本公開１９３９年。

前科のある犯罪者を更生させるために雇っているニューヨークの百貨店で働くジョーは同僚のヘレンと恋に落ちた。彼女もまた仮出所中の身だったことを知ったジョーは、かつての仲間に誘われるまま自分が勤める職場の商品を盗み出そうとするのだが。随所にラング監督らしからぬタッチが感じられるのが楽しい彼の異色作といえようか。
アメリカ映画。日本公開１９３９年。

ベルリンの伯母の家に身を寄せた農家の娘リリーが、若き彫刻家リチャードのモデルになったことが切っ掛けで彼と愛し合うようになる。しかし、リチャードのパトロンがリリーを見初めたために、貧しかった彼はリリーのために身を引くのだった。スタンバーグ監督とアメリカに渡ったディートリッヒが、初めて他の監督と撮った作品。
アメリカ映画。日本公開１９３３年

同業者と対立しながらも恋人のクラブ歌手と協力して、チャンピオンと対戦するまでにボクサーを育て上げたプロモーターが、八百長で大金を得ようとするのだが・・・・。ベティ・デイヴィスがベネチア国際映画祭で女優賞をス賞したほか、61年にE.プレスリーにより「恋のＫＯパンチ」として再映画化された。
アメリカ映画。日本公開」１９３７年。

陸軍中尉として従軍しているギャツビーは恋に落ちるが、フランス戦線に送られている間に恋人デイジーは富豪と結婚してしまう。彼は酒の密売で巨万の富を掴み、ロングアイランドに邸宅を構えてデイジーに近づこうとするのだが・・・。原作はF.スコット・フィッツジェラルドの小説で、後に「華麗なるギャツビー」として再映画化された。
アメリカ映画。日本公開１９５０年。

　会社をクビになった男が、救ってくれた船長を裏切り、転落していく姿を南洋の特異な島を舞台に描いている。人間と文明の関わりという大きなテーマに圧倒される。全編がロケで撮影されていて、先住民の生き生きとした素顔が印象的だ。ジョゼフ・コンラッドの小説の映画化で、英国アカデミー賞作品賞にノミネートされた。
イギリス映画。日本公開1953年。

　船が難破して見知らぬ島に流れ着いた男の冒険物語。唯一の相棒である愛犬を亡くした後の孤独と、偶然、知り合った先住民に対する猜疑心、人間の気配を感じたくて”こだま”を聞く等、印象的なシーンを挟みながら物語は展開する。１９５４年のアカデミー賞主演男優賞、英国アカデミー賞作品賞にノミネートされた。
メキシコ映画。日本公開1964年。

　スチュワーデスのクレールは機長のオーブリーから求婚されるが彼に愛情を抱けない。３年前に別れの言葉も告げぬままダカールへと去った初恋の男、ジャックが忘れられないからだった。やがて２人は再会するのだが・・・・。M.モルガンのクールな美しさと、J.マレーの駄々っ子ぶりが興味深い。
フランス映画。日本公開１９５１年

　港町で自堕落な生活を送っている娼婦ベラと船員ジャンとの叶わぬ恋を描いたシモン・ガンティヨンの戯曲の映画化作品。題名から想像されるような際どい描写はなく、愛は無常だと唱えるインドの女神マヤの話を挟みながら、物語はむしろ重厚進んでいく。
フランス映画。日本公開１９５２年。