映画ファンをハラハラさせ画面にひきつけるには、ミステリーとアドベンチャーは欠かせない題材と言えよう。前者は安い製作費でもシナリオにひねりを加え、思わぬ展開で観客を満足させることができるため、第二次大戦前後からアガサ・クリスティをはじめとするミステリー作家の小説が盛んに映画化されるようになった。ヒッチコックがこの分野で傑出してるのは異論のないところだろうか。後者については、映画ならではの視覚に訴える効果が期待できることから普遍的な人気を得ているが、まずそのおもしろさで人々を魅了したのは連続活劇だろう。1914年から16年が最盛期で、10編から20編ほどの短編が順次上映されて、危機一髪の場面になると”続きは次週のお楽しみ”となるのである。中でもパール・ホワイト主演のシリーズが有名で、「ポーリンの危難」「鉄の爪」等が製作された。これらは新聞小説と同時進行し、今でいうタイアップ宣伝のはしりとなった。最近はスペクタクル、大量破壊!に偏向し、ダグラス・フェアバンクス、エロール・フリン等に代表される従来の活劇が少なくなっているのは残念だ。

紐育の波止場(1928) アメリカの悲劇(1931  
私の殺した男(1932   フリークス(1932) 
紅はこべ(1934)  絢爛たる殺人(1934) 
影なき男(1934  男の世界(1934)  
奇傑パンチョ(1934    情熱なき犯罪(1934)
男の敵(1935   札つき女(1937  
ゼンダ城の虜(1937) 倒れるまで(1937
真人間(1938  四人の復讐(1938 
我れ暁に死す(1939  ミュンヘンへの 急行列車(1940) 
夜までドライブ(1940) コルシカの兄弟(1941)  
マン・ハント(1941)  ガラスの鍵(1942) 
拳銃貸します(1942) 灰色の男(1943 
恐怖への旅(1942)  仮面の男(1944) 
飾窓の女(1944) 幻の女(1944) 
第七のヴェール(1945) らせん階段(1945)
そして誰もいなくなった(1945) ドリアン・グレイの肖像(1945)
青い戦慄(1946) 郵便配達は二度ベルを鳴らす(1946)
湖中の女(1946)  殺人者(1946)  
青の恐怖(1947)  十字砲火(1947) 
邪魔者は殺せ(1947)  真昼の暴動(1947)
影なき殺人(1947)
夜は千の眼を持つ(1947)
私は殺される(1948)  裸の町(1948) 
蛇の穴(1948) 暴力行為(1948)  
スペードの女王(1948)    兇弾(1949)
暗黒街の巨頭(1949)    第三の男(1949)
チャンピオン(1949)   罠(1949) 
怒涛の果て(1949)   欲望の砂漠(1949) 
絶壁の彼方に(1950)
戦慄の七日間(1950)
マデリーン 愛の旅路(1950)  別働隊(1950) 
破局(1950)  その男を逃すな(1951) 
艦長ホレーショ(1951) 世界を彼の腕に(1952)
醜聞殺人事件(1952)  黒騎士(1952)
スカラムーシュ(1952)  果てしなき蒼空(1952)
 ゼンダ城の虜(1952)  デッドライン〜U.S.A.(1952) 
ロビンソン漂流記(1952)  雷鳴の湾(1953)